ラサーナ プレミオールの成分解析
2025年リニューアルと「ラウレス硫酸フリー」の真実
ラサーナ プレミオールは「ラウレス硫酸フリー」「アミノ酸系シャンプー」「ワカメエキス配合」を打ち出した、 定価3,300円のプレミアムゾーン市販シャンプーです。2025年2月に大幅リニューアルし、乳酸菌配合を新たに追加しました。
ただし成分表を丁寧に読むと、マーケティングで強調されている点と実際の成分の間にズレがある箇所があります。 ここでは、有効成分の科学的な根拠も含めて正直にお伝えします。
製品スペック
| 製品名 | ラサーナ プレミオール シャンプー |
|---|---|
| ブランド | ラサーナ / 株式会社アンナドンナ |
| 容量 | 375mL(詰め替えボトル) |
| 価格(税込) | ¥3,300 |
| 1mLあたり単価 | 約8.8円 |
| 1回使用コスト目安 | 約44円(5mL使用時) |
| 主洗浄成分の分類 | アミノ酸系(主剤)+ベタイン系+スルホン酸系(補助) |
| ラウレス硫酸フリー | ○ |
| シリコン | あり(ジメチコン) |
| パラベン | あり(メチル・プロピル・エチル、3種) |
主要競合とのコスト比較
ラサーナ プレミオール
約8.8円/mL
約44円/回
BOTANIST モイスト
約3.3円/mL
約17円/回
YOLU カームナイト
約2.9円/mL
約15円/回
成分表(2025年2月リニューアル後・現行版)
成分表は配合量の多い順に記載されます。
ラサーナ プレミオール 全成分(2025年2月〜現行)
水、ココイルグルタミン酸TEA、コカミドプロピルベタイン、 海水、オレフィン(C14-16)スルホン酸Na、 コカミドMEA、ワカメエキス、アラリアエスクレンタエキス、ブドウツルエキス、グリチルリチン酸2K、 コメエキス、イソステアロイル加水分解コラーゲンAMPD、海シルト、ツボクサエキス、 オウゴン根エキス、イタドリ根エキス、カンゾウ根エキス、ダイズ芽エキス、チャ葉エキス、 ローズマリー葉エキス、カミツレ花エキス、スクワラン、グレープシードオイル、 マルラオイル、セロリ種子エキス、トコフェロール、ラウリン酸ポリグリセリル-10、 ジメチコン、塩化Na、グリセリルジステアレート、BG、ポリクオタニウム-47、 ラクトバチルス、 エゴマ葉エキス、 ポリクオタニウム-7、セテアレス-60ミリスチルグリコール、PEG-150ジステアレート、 エタノール、デキストリン、トリカプリリン/カプリン酸トリグリセリド、フェノキシエタノール、 メチルパラベン、プロピルパラベン、エチルパラベン、安息香酸Na、香料
太字:主要洗浄成分・コンディショニング成分 / 赤字:懸念成分 / 緑字:2025年新規追加
「ラウレス硫酸フリー」の真実
製品パッケージには「ラウレス硫酸フリー」と記載されています。これは事実です。 しかし成分表の5番目にオレフィン(C14-16)スルホン酸Naが配合されています。
知っておきたい事実
- オレフィン(C14-16)スルホン酸Naの洗浄力・刺激性はラウレス硫酸(SLES)と同等レベルです
- 「ラウレス硫酸を使っていない」は事実でも、「刺激の強い洗浄成分を使っていない」とは別の話です
- 成分解析専門家・美容師の間でも「ラウレス硫酸フリーの表現が誤解を招く」と指摘されています
主洗浄成分がアミノ酸系のため、5番目とはいえオレフィン系の影響は限定的かもしれません。 ただし、敏感な頭皮の方が「アミノ酸系だから」と信頼して使った場合、 この成分で刺激を受ける可能性があることは正直にお伝えする必要があります。
洗浄成分の評価
ココイルグルタミン酸TEA
アミノ酸系(陰イオン界面活性剤)
アミノ酸系の中でも最もマイルドな分類。皮膚のpH(弱酸性)に近く、バリア機能を守りながら洗浄します。 市販シャンプーの中でこれが主洗浄成分として配合されているのは評価できます。
コカミドプロピルベタイン
ベタイン系(両性イオン界面活性剤)
低刺激で泡立ちを助ける成分。コンディショニング効果もあります。
オレフィン(C14-16)スルホン酸Na
スルホン酸系(陰イオン界面活性剤)
ラウレス硫酸と同等の洗浄力・刺激性を持つ成分。泡立ちを補強する目的で配合されていますが、 敏感な頭皮では刺激になる可能性があります。
ワカメエキスの科学的根拠
プレミオールの代名詞ともいえる「ワカメ・海藻エキス」の効果について、正直にお伝えします。
フコイダン研究は存在する
ワカメなどの褐藻類に含まれる多糖類「フコイダン」には、発毛促進の可能性を示す研究が複数あります。 マウスの動物実験でIGF-1(毛包を活性化するシグナル)やVEGF(血管新生因子)の増加が確認されています (PubMed 2025年:PMID 39638216, 40749928)。
しかし「シャンプー中の少量配合」への直接的な適用には限界がある
シャンプー中の海藻エキスに関して知っておくべきこと
- 動物実験はフコイダンを経口または高濃度で局所塗布した研究が主体
- シャンプーへの少量配合では、活性成分の濃度・分子量が全く異なる
- 洗い流し製品の接触時間は短く、頭皮への浸透・吸収効果は限定的
- ヒトを対象とした、シャンプー剤形でのRCT(ランダム化比較試験)は確認できていない
「ワカメエキスが入っているから髪に良い」という考え方は科学的に正確ではありません。 フコイダン研究は有望ですが、それがこの製品の効果とイコールではないことをご理解ください。
2025年リニューアルの変更点
2018年 初代処方
海藻エキス・植物エキス配合
詰め替えはピアス式ボトル
価格:¥3,520
2025年2月 現行版
+ ラクトバチルス(乳酸菌)追加
+ エゴマ葉エキス追加
詰め替えをキャップ式に改善
価格:¥3,300(値下げ)
乳酸菌(ラクトバチルス)の頭皮外用は研究が発展途上の分野で、 腸内への経口摂取での有効性は確立されていますが、頭皮への塗布・洗い流しの効果は現時点で未確立です。 「フィト乳酸菌処方」というコンセプトは興味深い方向性ですが、科学的根拠が追いつくまでは効果を断言できません。
一方、ボトルのキャップ式への変更と¥220の値下げは実用的な改善です。
マーケティングの主張と成分が示す現実
| マーケティング主張 | 成分から見た現実 |
|---|---|
| アミノ酸系シャンプー | △:主洗浄剤はアミノ酸系だが、5位にスルホン酸系が配合されている |
| ラウレス硫酸フリー | ○(事実):ただしオレフィンスルホン酸Naは同等の刺激性を持つ |
| ワカメエキスでダメージ補修 | △:フコイダンに有望な研究はあるが、シャンプー中少量配合への適用は未実証 |
| フィト乳酸菌処方で頭皮ケア | △:外用乳酸菌の頭皮効果は研究発展途上。期待は持てるが断言できない段階 |
| 7種ハーブエキス配合 | △:グリチルリチン酸2Kは抗炎症効果が確立。他のエキスは後半配合で量は少ない |
シャンプーソムリエによる評価
向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| カラー・パーマのダメージ毛(マイルドな主洗浄で退色しにくい) | 脂性頭皮・オイリー髪(オイル類・シリコンでべたつく可能性) |
| 乾燥・パサつきが気になる(スクワランなどの保湿成分が充実) | 細毛・軟毛でボリュームを求める(重めの処方) |
| 頭皮の軽い炎症が気になる(グリチルリチン酸2K配合) | パラベンが気になる(3種類配合) |
| うねり・広がりを抑えたい(ジメチコンのコーティング効果) | コスパを重視する(BOTANIST比で2.7倍の価格) |
| プレミアムな体験・香りを重視する | 敏感な頭皮でオレフィン系成分を避けたい方 |
プレミオールは『良い成分を散りばめている』シャンプーです。主洗浄剤にアミノ酸系を選んでいる点は評価できます。ただし3,300円という価格に対して、成分の内容で価格差を説明するのは難しい。ワカメエキスの科学的根拠はシャンプー形態では未実証ですし、ラウレス硫酸フリーと言いながらオレフィン酸Naが入っている点も引っかかります。同価格帯なら美容室のプロ用シャンプーの方が成分的に明確な優位性を持つ製品が多いです。プレミオールはブランド体験や香りの好みで選ぶ製品という位置づけが正直なところです。
木村芳樹 — シャンプーソムリエ
よくある質問
パラベンが3種類入っているのは問題ですか?
パラベン(防腐剤)は世界的に安全性が確認されており、EU・日本ともに規定濃度内での使用は許可されています。 ただし複数種のパラベンを同時に配合しているシャンプーは少なく、 パラベンに過敏な方や積極的に避けたい方にとっては選択肢として挙げにくい点は事実です。
海藻シャンプーは髪に良いですか?
ワカメ・昆布などの褐藻類に含まれるフコイダンには、動物実験での発毛促進データが存在します。 ただし現時点では、洗い流しシャンプーへの少量配合でのヒトへの効果を実証した研究は確認できていません。 「海藻入りだから効く」という判断よりも、まず洗浄成分の質を確認することをお勧めします。
BOTANISTモイストとどちらが良いですか?
成分の質と価格のバランスで見ると、ダメージ毛・乾燥への対処としてはBOTANISTモイストのコスパが高いです。 プレミオールはシリコン配合でしっとり感・ツヤ感を重視する方向けです。 どちらがご自身の髪質に合うかは頭皮診断で確認できます。
自分に合うシャンプーが知りたい
頭皮チェックで髪質・頭皮タイプを確認したうえで、成分を見比べることをお勧めします。 さらに詳しく相談したい方はサロンへどうぞ。
価格が高いから良いとは限りません。自分の髪質に合うかどうかが判断基準です。